去年のこと。
「市内・木野下の古いため池を改修工事して、ビオトープにした」と市長さんが自慢なさいました。えっ、すごいなぁ。うれしくなってさっそく見に行きました。しかし・・・
以前のこの池はカエルの一大産卵場所でした。ビオトープならばカエルの産卵に対する配慮があってしかるべきだと思うのですが、こんな垂直の岸では吸盤を持たない種のカエルは這い上がれない。見た目はきれい。でも生物にとってはせっかくの水辺が死の水辺となってしまう。
継続して観察を続けることにしました。春たけなわ、ヤマアカガエル、アズマヒキガエルが次々と卵を産みました。しかしよく池底を見るとヒキガエルらしい死体をいくつも発見。オスが争う「カワズ合戦」で死んだにしては数が多すぎます。手足を伸ばしきった白っぽい死骸はなんとなく人を想像させます。
市の農林課に話を聞くと、「ビオトープはため池本体の手前の小さな池」だというのですが、そちらもやはりカエルが這い上ることができない構造でした。
これはビオトープとは言えない!!